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お知らせ
ジェネレーティブAIを活用してリード化合物の探索・最適化プロセスを加速させる
『DATAGRID DrugFinder(β版)』を開発・ローンチ
RELEASE
インタラクティブな操作・説明性の高い結果を表示
株式会社データグリッド(本社:京都大学吉田キャンパス構内、代表取締役CEO:岡田 侑貴、以下「データグリッド」は、製薬企業での探索的なフェーズにおいて、創薬化学者がリード化合物の探索・最適化するプロセスを加速させる『DATAGRID DrugFinder(β版)』を開発し、2023年3月1日より提供を開始します。
『DATAGRID DrugFinder』は、当社のコア技術であるジェネレーティブAI(生成AI)と独自に開発した少数データでも高精度な予測AIを組み合わせ、活性や薬物動態に関係する物性など複数のパラメータの条件を満たすような低分子有機化合物の生成・構造最適化ができる創薬AIプラットフォームです。
製薬企業が保有している活性や水溶性、代謝安定性、半減期などのデータを『DATAGRID DrugFinder』に搭載のAIで学習し、当社独自の最適化手法(特許出願中)で化合物構造の部分最適化や同時最適化、骨格変換を行うことでリード化合物の探索・最適化の様々なフェーズで最適な化合物の構造を提案することができます。さらに、どの部分構造がどのような物性に効いているか、どの構造をどのように変化させると物性がどのように変化するか可視化できるため、創薬化学者にとって分子設計の方向性に関する有益な示唆を得ることができます。
こうした機能によって、『DATAGRID DrugFinder』は、創薬化学者とAIとのインタラクションに促進させ、リード化合物の探索・最適化プロセスを加速させ、イノベーティブな低分子医薬を実現します。
■開発の背景
製薬企業における低分子医薬品の開発は、単純な創薬ターゲットの枯渇が進んでいるため、既存のデータベースや創薬化学者の経験知のみを頼りにした研究開発では、イノベーティブな新規低分子化合物の創出が極めて困難になっています。その上、そうした探索的な研究開発において重要なリード化合物の探索やリード最適化のプロセスでは逐次的な合成に多大な時間・コストがかかっています。
当社ではこれまでジェネレーティブAIの研究開発を続け、製造業を始めとする多様な業界で社会実装をして参りました。本プロダクトでは、こうした当社に蓄積されているジェネレーティブAIの技術をベースに、今回独自に開発した活性や複数の物性を同時に最適化できる最適化技術を搭載しており、新規性がありかつ所望の物性を持った化合物を自動で生成・最適化することができます。さらに、製薬企業で創薬化学者として合成研究に従事されている方々に対してヒアリングを重ね、フィードバックを受けることで、創薬化学者がインタラクティブに操作でき、かつ説明性の高い結果から合成の方向性を見出すことが容易になっています。こうした独自の最適化アルゴリズム、機能、UIで、創薬科学者とAIによるインタラクティブな分子設計を実現し、リード化合物の探索とリード最適化の高速化を目指します。
■『DATAGRID DrugFinder』の特長・機能
『DATAGRID DrugFinder』は、ジェネレーティブAIと最適化技術を組み合わせ、活性や薬物動態など複数のパラメータにおいてユーザーが希望する条件を満たすように構造最適化ができます。さらに候補化合物の活性・物性値の大きさや部分構造でフィルタリングが可能で、機械学習の予測根拠を可視化できるため、創薬化学者は機械学習の前提知識無しで直感的に操作でき、AIとインタラクティブに分子設計を行うことが可能です。
●部分最適化
ユーザーが入力した化合物に対して、特定の活性や物性を変化させる方向に一部の構造のみを変化させたものを複数提示します。実験では補えない様々な部分構造の変化による活性・物性の変化を網羅的に調べることができます。
●同時最適化
ユーザーが入力した化合物に対して、複数の物性値が最適となるように全化合物空間で化合物の構造全体の最適化を行います。これによって、リード最適化でゴールとなる化合物の候補を複数得ることができ、リード最適化プロセスにかかる時間を大幅に減らすことが可能になります。
●骨格変換
特定の骨格をベースにした構造最適化で行き詰まったときに、ユーザーが入力した起点となる化合物と類似の活性や薬物動態の物性に類似する性質を持ちつつ、母核が変換された構造を探索することができます。これによって全く別のタイプのリード化合物を探索し、分子設計で新たな突破口をみつけることができます。
●フィルタリング
活性・物性値の大きさ、部分構造の有無など多様な方法でフィルタリング可能で合成研究の様々なフェーズに応じた化合物を抽出できます。
●予測根拠の可視化機能
どの部分構造がどの活性や物性に効いているか、各種物性がどのように変化したかを可視化することができます。この可視化機能によって、創薬化学者は分子設計の方向性に対する示唆を得ることができ、より効率的に分子設計を行うことができます。
■無料トライアルで検証パートナー企業様を3社限定で募集
リード化合物の探索・最適化を行っている製薬企業様に『DATAGRID DrugFinder』の価値を体験いただくために、3社限定で無料トライアルの提供をクラウド版にて開始いたします。無料トライアルにご参加いただいた企業様には、有償化後にもファーストローンチカスタマー特典をご用意いたします。お申込みなど、詳細情報はhttps://datagrid.co.jp/download/1765/ をご確認ください。
■大学や研究機関でのご利用も歓迎!
新規化合物の探索研究に『DATAGRID DrugFinder』を活用いただける大学や研究機関に所属するパートナー様も、無料トライアルの対象として募集しております。お申込みなど、詳細情報はhttps://datagrid.co.jp/download/1765/ をご確認ください。
▼ 本件に関するお問い合わせ先
株式会社データグリッド
TEL:075-286-4470
E-mail:info@datagrid.co.jp
▼ データグリッドについて
「すべてのデータ、に命を与える。」をミッションに掲げ、AIにより合成・生成された動画像や音声といったデジタルデータ(=合成データ)の産業活用を進めています。デジタル社会におけるデータの量と質を高め、あらゆるものにAIを深く、自然に浸透させた未来社会の実現を目指します。
コーポレートサイト:https://datagrid.co.jp/